レビュー#1 ショートターム

こんにちは。
第1回目の映画レビューは「ショートターム」です。
オフィシャルサイトの作品紹介ではこんな感じ。

Still-2_Brie-Larson_Kaitlyn-Dever

物語の舞台は、ティーンエイジャーをケアするシェルター“ショート・ターム”。ここで働く20代のケアマネージャー、グレイス(ブリー・ラーソン)と、同僚でボーイフレンドのメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr.)。子供が出来たことをきっかけに、二人の将来はささやかならがも幸せなものになるかと思われました。でも実は、グレイスの心には、たったひとりの信頼できる彼にも打ち明けられない、深い深い闇が横たわっていたのです。そんなグレイスの心を次第に開いてゆくのは、やはり同じように心に傷を負ったショート・タームの子供たちと、新しく入所してきた、頭が良くて優しい少女ジェイデンや、ストイックでまっすぐな少年、マーカスでした。彼らはみな、親からの虐待やネグレクト、いじめを経験し、心を閉ざしてしまったこどもたちです。

誰もが心に悲しい傷を負っているけれど、ここに暮らす子供たちはみんな、心優しくて繊細な少年少女ばかり。そんな彼らのひたむきな生き様を見ていると「ひとりぼっちで生きるのではなく、大切な人と一緒に、明日を生きることが喜びなんだ」と気づかせてくれます。大きくて温かな愛に包まれた『ショート・ターム』は、きっとあなたも大好きな人と共有したくなる、穏やかで柔らかい感動のものがたり。スクリーンから、かつてない「ぬくもり」が溢れ出してきます。



まず初めに特筆すべきはカメラワーク。手ブレが紡ぎだすリアリティ。ドキュメンタリーのような映像。
キャストの面々もとびっきりの美女や美男はおらずショートタームの子供たちに至っては全員が下の中ぐらいの容姿。
それが余計にリアリティに拍車をかけている。白人の女子はほぼソバカスだらけ。

主人公のグレイスを演じるブリー・ラーソンの演技も目を見張るものがありました。
グレイスもショートタームで過ごしている子供同様に心に傷があるのですが、
それをひた隠すことで生まれる動揺やそれが原因で前に進めない絶望感が狂気へと変わる瞬間など
あまり知らなかった女優さんですが彼女の演技は注目すべき箇所が多数にあります。

さて、本題のストーリーですが
過去の暗い体験をを引き吊ってそれでも生きていかなければならない人々を描いておりますが
ケアマネージャーたちの要所要所のおちゃらけたセリフやキャラクターのおかげで
全体的に和やかな雰囲気で物語は進みます。救いのない暗さも個人的には好きですが。

終盤はサスペンス的な盛り上がりも一瞬見せますが基本的に終始淡々と彼らの日常が流れます。
起伏のないストーリーを良しとするか否かでこの映画の評価は変わるかと。
僕は「アデル、ブルーは熱い色」がTOP5に入る趣向なので今作も楽しめました。
どちらにも共通するのは「現実の生々しさ」でマーカスという少年は物語の途中で
グレイスや大人たちに手伝ってもらいながら過去との決別=呪縛からの解放を試みます。
その時に胸を打つのはやはりこの作品全体を包む彼らの日常のリアリティであり、
観ている人が共感する「生きる事で生まれる悩み」だと思います。

僕は親からの虐待もネグレクトもイジメの被害者にもならなかったですが、
生きる辛さは常にすぐそばに横たわっていました。社会人なら誰しもが持ってる不満や苦しみなどです。
それが少年達のトラウマとかぶりどういう未来が彼らを待ってるのかと映画を観ていました。

監督からすると子ども達の未来にフォーカスを当てるのではなく、
あくまでもショートタームという施設の日常を描きたかったのか
出所した子ども達の未来についてはほとんど触れられません。

この作品を観終わった感想は人が生きるという行為は悩んだり苦しんだりの繰り返しで
他人から見たら物凄く単純で簡単な問題なのに本人が捏ねくり回して難しく考え過ぎてるだけって
そう思える考え方を思い出させてくれる良作でした。何かに悩んでる人は救われるかも。

日本でいうと人気の芸能人や歌手などを起用して作られた単純なお涙頂戴劇とはまったく違います。
オフィシャルの作品紹介を読んだ時にそれを危惧したのですが杞憂に終わりました。
押し付けがましい感動はなく、色々と考えさせられる内容になってます。
起伏のない淡々とした映画が好きな人には是非観てもらいたい作品です。

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